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人材紹介事業の免許取得の際に、必要なすべての情報を本記事にまとめました。ぜひご確認ください。
- 人材紹介(有料職業紹介)事業は免許が必要!
- 人材紹介事業の免許取得は意外と時間がかかる
- 免許取得ができないよくあるパターンとは
- 人材紹介の免許を取得する際の許可基準(要件)について
- 人材紹介免許申請時に必要な費用について
- 人材紹介免許申請時に必要な書類について
- 有料職業紹介事業許可申請の流れ
- まとめ
人材紹介(有料職業紹介)事業は免許が必要!
人材紹介事業は、ここ数年右肩上がりで拡大をしている市場の一つとなっています。令和2年度の職業紹介事業の手数料収入は、約5,240億円となっており、成長を続けています。。有料職業紹介事業所数は、令和2年時点で26,208事業所となり、人材紹介の免許を取得する事業所は増え続けています。
(令和4年3月31日 職業紹介事業報告書より)
人材紹介(有料職業紹介)事業とは、求職者を求人企業に紹介し、内定承諾に繋がると、企業から成功報酬として手数料を支払われるのが主なビジネスモデルであり、国の許認可事業です。そのため、国から許認可を得て免許を取得しなければ、有料職業紹介をおこなうことはできません。許認可を申請する際には、いくつもの要件があり、提出する書類も非常に複雑なことから、一度の申請で免許を取得することは難しいです。
同じ免許がいる人材ビジネスとして、人材派遣事業と混在されがちですが、人材派遣よりも初期投資も少なく、免許申請のハードルも低いことから、新規参入が増加し続けています。最近では人材派遣会社が、新規事業として人材紹介の免許を取得することも増えています。
参入障壁の低さから注目されている人材紹介。今回は免許申請時につまずくポイントを中心に、できる限り労働局に数度足を運ぶ必要がないよう、詳しく解説いたします。
人材紹介事業の免許取得は意外と時間がかかる
すぐに取得できると思われがちな人材紹介事業の免許ですが、意外と簡単ではありません。いくつかの基準を満たす必要があるため、免許を取得するにはある程度の期間や資金が必要となります。人材紹介が国の許認可事業に指定されている理由は、中抜きなどの不当行為を防ぎ、人材紹介事業者や企業、求職者を保護するためです。人材紹介の許可を厚生労働大臣から取得せずに業務を行うと違法行為となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
免許取得ができないよくあるパターンとは
人材紹介事業の免許取得にはいくつかの要件があるため細かく確認が必要です。下記に免許取得ができないよくある事例をのせたので、同じようなミスをしないように注意しましょう。
資本金は現金で500万円あればいいというわけではない
有料職業紹介の免許を取得するには資産(財産)の基準を満たさなければなりません。資産基準とは、資産の総額から負債を控除した額が500万円以上なければなりません。基準資産はあくまで、直近の決算書の貸借対照表に記載の数字で判断されます。銀行口座やお手元にいくら現金を持っていても意味がないので注意しましょう。
これでは人材紹介の免許は取得できない!?資本金の条件とよくある勘違いとは?
個室がないオフィスで申請しようとしている
オフィスの要件の一つとして、面談スペースと執務スペースがそれぞれ個人情報が守れる構造になっている必要があります。面談スペースについては、個室もしくは区切られた空間であれば、共用の会議室を面談スペースとして利用することが可能ですが、完全なオープンスペースは、面談スペースとして申請できないので注意しましょう。執務スペースについては、個室ブースの契約は必須です。フリーデスクを契約しても、有料職業紹介の許可はおりません。1名用の個室でも構わないので、面談スペースとは別に執務スペースの契約が必要です。
賃貸契約が事業用ではない
自宅を事務所として利用しようとする場合によくあるパターンですが、賃貸物件の場合、居住用契約の場合は事務所として申請することができません。申請のためには事業用契約である必要があるため、事前に確認しておきましょう。
玄関から事務所エリアまでの導線にプライべートスペースを通る必要がある
こちらも自宅を事務所として利用しようとする際に注意する点ですが、玄関に入り事務所エリアまで行く途中に、リビングダイニングなど家族などが生活するプライベートスペースを通らないといけないレイアウトは許可がおりません。
人材紹介の免許を取得する際の許可基準(要件)について
人材紹介事業の免許取得にはいくつかの要件があるため細かく確認する必要がありますが、実は国の許認可事業の中では免許の取りやすさのハードルは低いほうだと言われています。要件を確認し準備をしっかりとすれば免許取得を目指しやすい事業といえるでしょう。
それではここからは、免許を取得するために必要となる許可要件を具体的におさえていきましょう。人材紹介事業(有料職業紹介)の許可基準は大きくわけて3つのポイントがあります。
- 「お金」に関する基準(基準資産)
- 「事務所」に関する基準(事業所・オフィス・自宅)
- 「人」に関する基準(職業紹介責任者)
この3点が人材紹介の免許申請時につまずくポイントとなっています。この3点をクリアにしないと、許認可がなかなか取得できないことが多いです。逆にこの3点さえクリアにできれば、人材紹介の免許は比較的スムーズに申請が通ります。それでは、厚生労働省が出している有料職業紹介の許可基準から紐解いて解説します。
①「お金」に関する基準(基準資産)
有料職業紹介は、求職者の人生を預かる重要な職種です。事業を的確、安定的に遂行する値する財産を持っているのかどうかが、1つ目の判断要素となります。下記2点の基準資産を満たさない限り、免許取得はできません。
- 基準資産が500万円以上あること
資産額-負債額 ≧ 500万円 × 事業所数 - 自己名義の現金預金額が150万円以上あること
現金預金額 ≧ 150万円 × 事業所数
ここで大事なポイントは、現金が500万円あればいいというわけではないことです。負債(借入・ローン等)があれば、基準資産500万円に満たしません。また、基準資産を満たすために500万円の借入を行うと、負債額が膨らむだけなので基準資産は満たすことにはなりません。特に個人で人材紹介の免許を取得する方は、住宅ローンや車のローンなども負債に含まれるので基準資産をクリアできるハードルはさらに高くなります。
資産要件をクリアすることが、人材紹介免許取得の最初の壁となります。期中で締めて公認会計士に監査証明をしてもらったり、増資をおこなったり、事前に計画して要件を満たす必要があります。
②「事務所」に関する基準(事業所・オフィス・自宅)
次に事務所の要件も、有料職業紹介の免許を取得する際に重要な指標の1つとなります。賃貸契約をしたり、自宅の一部をオフィスに改築した後に、「この事務所では許可がおりない!」とならないように、事前にしっかりと確認しましょう。事務所の基準で、特に重要になるのはこの3点です。
- 事務所専用の固定回線があるかどうか
- 鍵のかかる金庫やロッカーが設置されているか
- 高さ約180cmのパーテーションで区分けされた面談スペースがあるか
ハードルの1つとなっていた「広さ20㎡」の縛りが、2017年に法改正で撤廃されました。この広さの要件の緩和も、人材紹介の新規参入増の後押しになっています。
レンタルオフィスでも免許の申請ができるようになりましたが、面談スペースには注意が必要です。デザイン重視のオフィスが多いので、ガラス張りの共有会議室などは少なくありません。しかし、「区分けされた面談スペース」としては認められなくなります。
また、あわせて個室ブースの契約も必須なので、申請前にフリーデスクのみを契約してしまうことのないように注意してください。
人材紹介免許取得に必要な事業所の要件①〜レンタルオフィス/シェアオフィスで免許が取れる!?
オフィスを持たずに、ご自宅を事務所と兼用する予定の方もいらっしゃると思いますが、その場合も事務所にするご自宅のレイアウトには注意が必要です。玄関から事務所までの導線で、プライベートエリアを通って面談スペースにつながっているレイアウトでは許認可はおりません。自宅兼事務所として改築してから、レイアウトの問題に気づくことがないよう、申請前にレイアウトは問題ないか確認をしてください。
また、賃貸の場合は居住用契約と事業用契約があります。事業用契約の場合は事務所として申請ができますが、居住用契約の場合は申請ができないため、こちらも確認をしておきましょう。
人材紹介免許取得に必要な事業所の要件②〜自宅を事務所として申請するには!?
➂「人」に関する基準(職業紹介責任者)
重要なポイントの3つ目である、職業紹介責任者についてご説明します。人材紹介は、1事業所(50名)あたりに1名、職業紹介責任者を選任する義務があります。
職業紹介責任者は以下の要件にあてはまる必要があります。
- 成人していること
- 3年以上の就業経験を要すこと
- 他の会社の社員ではないこと(出向・非常勤除く)
- 職業紹介責任者講習の受講が済み、受講証明書が発行されていること
職業紹介責任者は常駐常勤が原則のため、兼業でなることはできません。
兼業で人材紹介を始めようとお考えの方は、別の方を職業紹介責任者としてたてる必要があります。また、職業紹介責任者講習には、新たに理解度確認試験も導入されたので、講習受講後試験に合格して初めて受講証明書が発行されます。
人材紹介免許申請時に必要な費用について
有料職業紹介の免許は、労働局に書類を申請する際に手数料が必要になります。
・登録免許税 90,000円
・収入印紙 50,000円
ーーーーーーーーーーーーー
合計 約140,000円
上記は、1事業所にかかる費用となり、同時に複数事業所を申請する場合は、1事業所につき追加で18,000円の収入印紙が必要となります。
また、こちらはあくまで申請にかかる費用のみが14万円〜です。その他にも、職業紹介責任者講習受講費や、法人を新設する場合の設立費、オフィスの賃貸契約や業務ツールの契約費など、必要に応じ諸費用が発生します。
人材紹介免許申請時に必要な書類について
次に、免許申請時に必要な書類についてご説明します。法人での免許申請と、個人での免許申請では、必要書類が異なりますので以下をご確認ください。
(1) 有料職業紹介事業許可申請書 3部(正本1部、写し2部)
(2) 有料職業紹介事業計画書 3部(正本1部、写し2部)
(3) 届出制手数料届出書部 3(正本1部、写し2部)
※ (3)については、上限制手数料による場合には提出は不要です。
(4) 添付書類2部(正本1部、写し1部)
出典:厚生労働省 職業紹介事業パンフレット―許可・更新等マニュアル―
有料職業紹介事業許可申請の流れ
最後に、人材紹介の免許申請から事業が開始できるまでの流れをご説明します。
- 職業紹介責任者講習会の受講
- 必要書類の作成
- 免許の申請
- 審査
- 現地調査
- 免許証交付
- 人材紹介スタート
手続きには審査があり、約2〜3ヶ月程度かかります。
免許の取得日は毎月1日。最短で許可がおりるのは書類申請後の翌々月末となります。申請から許可がおりるには丸2ヶ月時間を要します。事業開始予定日から遡ってスケジュールをたて、余裕をもって必要書類の準備をしましょう。
許可がおりなければ、再申請となり、さらに許認可取得まで、2ヶ月かかります。一度で要件を満たせるように、事前準備の徹底をしましょう。
まとめ
今回は、人材紹介の免許取得についてまとめました。要件や注意点が多く、読むだけで気が遠くなってしまった方もいるかもしれません(笑)そんな方向けに、3分で分かる人材紹介の免許取得マニュアルをご用意いたしました。無料でダウンロード可能なため、ぜひチェックしてみてください。
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