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人材紹介会社の手数料の相場や仕組み、返金制度について

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人材紹介会社の手数料の相場や仕組み、返金制度について

人材紹介会社を行うにあたり、手数料が事業運営の主軸となります。また、有料職業紹介事業者として厚生労働大臣への届出認可が必要な事業です。大手企業の手数料の実績などを参考に、法令に則った手数料の仕組みや相場などを確認してみましょう。

 

 

人材紹介の手数料の仕組みや詳細

人手不足が続く中、求人市場は多くの期待が寄せられ、さまざまなサービスが提供されています。中でも人材紹介業はより雇用側が求める人材とマッチングしやすいことから需要も高く、独自の強みを活かしたサービス提供者が新規参入しています。

ここでは人材紹介を事業として展開するにあたって、収益となる手数料について詳しく紹介していきます。人材紹介は有料職業紹介事業として職業安定法に則って手数料を含め細かい規定がされています。人材紹介を利用する雇用主にとっても手数料の仕組みを理解して、費用対効果などの面から利用を検討する際に活用できます。

人材紹介の手数料は2種類ある

人材紹介の手数料は2種類ある

人材紹介を行う有料職業紹介事業では一部を除き雇用主からのみ手数料を得ることが法律で定められています。収益となる手数料には届出制手数料と上限制手数料の2つが規定されています。

  • 届出制手数料:一般的な方法。
  • 上限制手数料:ほとんど使われていない。

有料職業紹介事業をはじめるにあたってはどちらの制度で、どれくらいの割合の手数料を徴収するのかを厚生労働大臣に届ける必要があります。審査の上で厚生労働大臣からの認可を受けてはじめて事業をはじめられます。

後ほど詳しくみていきますが、制度の特性から届出制手数料を採用する事業者が多く、上限制手数料を採用している人材紹介事業者は極めて少なく限られているのが現状です。それぞれの特徴や違いについて詳しく説明します。

届出制手数料

届出制手数料は徴収する手数料の上限を厚生労働大臣に申請して、認可された範囲で事業を行う制度です。手数料の割合は雇用主と紹介した人材との間で合意した理論年収の50%を上限に事業者が自由に設定できます。しかし、50%に近い申請に対しては認可が降りないことがほとんどです。

手数料の支払いは雇用契約が成立した後から徴収できます。具体的な手数料の算出については後ほどみていきます。人材紹介会社の多くが届出制手数料を採用しています。

上限制手数料

上限制手数料は紹介した人材に支払われる賃金の10.8%相当額を上限として定型の手数料を得る制度です。6カ月を超えて継続して雇用される場合には、6カ月間の賃金の10.8%が相当額とされています。

手数料の支払いは手数料徴収の基礎となる賃金支払日以降でないと徴収することはできません。上記のように6カ月なら支払いは採用決定から6カ月後になるのです。

ただし、最近では上限制手数料を設定している人材紹介会社は非常に少ないのが現状です。

求職者からも手数料を得られる例外

人材紹介である有料職業紹介事業は雇用主からのみ手数料を徴収することが法律で定められています。ただし、職種に限って例外的に紹介する人材からも手数料を徴収できるものがあります

紹介対象の人材からも手数料を徴収できる職業 条件
芸能家 -
モデル -
経営管理者 年収700万円を超える場合
科学技術者 年収700万円を超える場合
熟練技能者 年収700万円を超える場合

 

これらは上限手数料に限って適応され、求職者の6ヶ月間の賃金の10.8%を上限として手数料を、原則賃金が支払われた日以降に徴収できます。

ただし、芸能家・モデルにおいて一部でこのような商習慣が残っているだけで、それ以外に関しては実態が把握できていないのが現状です。

また、芸能家、家政婦(夫)、配ぜん人、調理師、モデル及びマネキンの6職種に限っては求職受理1回につき690円を徴収できます。こちらも商習慣の名残ですが、限られた分野です。これらの分野を対象とする場合には注意しておきましょう。

人材紹介手数料の相場

人材紹介手数料の相場人材紹介事業の紹介手数料は上限が50%と法律で決められていますが、業界の相場はどのくらいが設定されているのかを説明します

相場は年収の30%~50%

業界の平均としては理論年収の30~35%が多いです。高い割合で認可を受けるには、それ相応の理由が必要です。40%以上の手数料を設定している場合には、需要が高く人材が少ない業態において高度な技術を持った人材を紹介できるなどの場合が考えられます。

手数料を高い割合で申請するには審査を受けるにあたって事業内容を精査することが必要です。また、手数料を低くすると案件をたくさん成立させないと事業として成り立たなくなります。ある程度の質を確保しながら営業するのに必要な手数料を維持することが大切です。

サービスを利用する雇用主としては、相場を知った上で、価格交渉をすることで極端に相場と離れることのない予算の確保や、優良な事業者を判断する目安にもなります。

大手三社を比較

それでは人材紹介事業を展開する大手企業はどのような手数料を設定しているのかみていきましょう

ここでは、

・株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
・パーソルキャリア株式会社
・株式会社リクルートキャリア

の3社について比較していきます。この3社は日本人材紹介事業協会において大手としてデータ抽出などの参考にされています。

会社名 手数料 求人数
JAC Recruitment 200% 約25,000社
パーソルキャリア 100% 10万社以上
リクルートキャリア 35%
なお、上記を基準に求人条件その他の状況により求人者と特別に合意した場合は、100%または1,000万円のいずれか高い方を上限とする。
約30万件

リクルートキャリアを見るように相場は30%〜35%程度とするところが大半です。JACリクルートメントやパーソナルキャリアのように上限を超える料率を掲げているところは開業後に変更を届け出ていると見られますが、実際には相談によって手数料が決められるので一般の求人であれば50%を超えることはないと考えて良いでしょう。

手数料の決め方

手数料は有料職業紹介事業である人材紹介の生命線です。もちろん会社ごとに手数料の決め方は異なっています。専門的な求人を多く扱っている、管理職などのハイクラス求人を多く扱っているなど競合の人材紹介会社に比べて独自の強みがあれば、手数料を高く設定しても十分運営ができます。

手数料を高く設定するには有能な人材の充実した情報を確保することが大切です。登録していただいた求職者に十分なサポートをすることで、雇用主である企業にアピールすることが可能です。

人材紹介を行うには企業の求人情報と求職者の人材データが重要です。人材紹介を行うにあたっては事業を支援する求人データベースを活用するとコストを抑えながらより良いマッチングが望めます。

中でもクラウドエージェントなら求人企業の対応を省力化して、登録された人材のサポートに多くの時間を割くことができます。クラウドエージェントは求人と候補者の情報を一元管理でき、進捗状況の集約化など業務の効率化を図る業務管理ツールです。

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人材紹介手数料の具体的な算出方法

人材紹介手数料の具体的な算出方法

それでは具体的に2つの手数料ごとに、いくらの成功報酬が手に入るのか算出方法をみていきましょう。その算出方法からも届出制が多くなるのが伺えます。ここでは比較しやすいように具体的な給与条件を揃えた上で、届出制と上限制の手数料を算出します。

届出制手数料

届出制手数料は理論年収に手数料を掛けた金額が適用されます

理論年収とは、採用決定者の月額給与の1年分と交通費以外の諸手当、報奨金、一時金を合計した金額のことです。

月給25万円、賞与3.2カ月分、諸手当月10万円の場合、
(月給25万円×12カ月)+賞与(25万円×3.2カ月)+諸手当(10万円×12カ月)= 理論年収 500万円

となります。手数料は

理論年収500万円 × 35% = 紹介手数料 175万円

と計算されます。これには別途消費税が必要です。

上限制手数料

上限制手数料を求めるにあたっては基本となるのは、賃金の10.8パーセント相当額が上限で、計算期間は最大で6カ月です

月給25万円のまま6カ月勤務し、ボーナスがない条件の場合

月給25万円 × 6カ月 × 10.8% = 16.2万円

となります。最大でも約16万円の手数料です。

人材紹介手数料の注意点

人材紹介手数料の注意点

人材紹介事業者、雇用主、紹介された人材の3者間でそれぞれさまざまな契約が交わされます。特に手数料に関しては人材紹介会社にとっても、人材を探している雇用主にとっても双方で確認しておくべき重要なポイントがあります。手数料に関する注意点を理解しておくことで大きなトラブルを防げます

手数料が発生するタイミングは人材紹介会社によって異なる

手数料の徴収は、求人申込受理時以降に可能です。しかし、求人申込受理をどこにするかで各社対応は異なっています。まずは大手3社の事例をみていきましょう。

会社名 手数料が発生するタイミング
JAC Recruitment 内定者の入社を確認後
パーソルキャリア 採用決定時
リクルートキャリア 採用成立時

これら採用者と応募者双方の合意が取れた時点で成立とする事業者や、入社日を請求日とする事業者などまちまちです。

入社までに採用者の気が変わってしまった場合など返金対象になってしまった状況を考えると入社日を請求日とするのが雇用主にとって負担が少ないです。ただし、事業者側からすると支払い日が伸びるデメリットがあります。

採用者が早期退職すると返金対象になることがある

人材紹介はあくまでマッチングすることが事業としてのゴールです。雇用契約が成立すれば成功報酬を雇用主から支払ってもらえます。しかし、紹介した人材が入社して1カ月で退職してしまったら採用した雇用主は大きな損をします。

そこで早期退職によって雇用主が人材紹介を利用する妨げにならないよう、返金制度を設けていることが多いです。大手3社では以下のような返金制度を採用しています。

会社名 返金詳細
JAC Recruitment 紹介した求職者が入社後3ヵ月以内に自己都合退職した場合には紹介手数料の50%を返金する
パーソルキャリア

入社日より1箇月以内の退職の場合、成功報酬の80%の返戻。
入社日より1箇月超え3箇月以内の退職の場合、成功報酬の50%の返戻。
入社日より3箇月超え6箇月以内の退職の場合、成功報酬の5%の返戻。

リクルートキャリア 入社日より1箇月以内の退職の場合、コンサルティングフィーの80%の返戻。
入社日より1箇月超え3箇月以内の退職の場合、コンサルティングフィーの50%の返戻。
入社日より3箇月超え6箇月以内の退職の場合、コンサルティングフィーの10%の返戻。

早期退職は手数料の払い戻しだけでなく、事業者の信用にも関わる問題です。人材の要望と求人案件をよくすり合わせて、早期退職とならないようにマッチングをしていくことが大切です。

雇用主とは返金制度も含めて条件をよく確認して詰めておくことが、後からのトラブルを防ぎます。

人材紹介の手数料を払わないのは違法

人材紹介業においては依頼のあった雇用主に対して登録されている人材を紹介します。契約までには面接を行ったり、履歴書なども雇用主は審査に利用します。

ここで、雇用主と紹介した人材が直接コンタクトを取って、人材紹介会社に知らせずに採用・入社と考える雇用主もいます。そうなると人材紹介会社は手数料をもらうことができなくなります。

ただし、この場合は人材紹介会社に秘密裏に契約した事実がわかった時点で雇用主には違約金の支払い義務が生じます。一方、登録していた人材が罪に問われることはありません。しかし違法なことを勧めてくる会社への就職や転職はおすすめできません 。

サービス登録者への説明や雇用主に対する違約金事例の説明をしっかり行い、トラブルを防ぎましょう。

人材紹介の手数料は求人に強みがあれば高く設定可能

有料職業紹介事業を行っていくのであれば、手数料を高く設定できることは非常に重要なことです。手数料率においては人材紹介事業主だけで勝手に決めることはできず、行政による事業認可という形で第三者の目が通ります。

高い料率を認めてもらうには、自社の求人のどこに強みがあるのかアピールすることが必要です。雇用主、紹介人材の双方にどのようなメリットがあるのかを明確にして、より高い手数料率の上限を確保しましょう。

サービスを利用する雇用主としては、手数料が高くても認可を取得した人材紹介会社は一目に値することがわかります。より高い技術をもったマッチング人材を短期間で採用できれば雇用主にとっても費用対効果は高くなります。

人手不足の中で、自社の強みを活かした事業展開でウィン・ウィンな結果を積み上げていきましょう。

 

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