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全方位の転職支援とカウンセリングで、求職者をハッピーに。兼吉ともこ(株式会社KEY ROLE)〜事業成功ストーリー

兼吉ともこ(株式会社KEY ROLE)〜事業成功ストーリー

働き方も仕事も変化のまっただ中にある現在、人材紹介業も数より質、個人にカスタマイズした選択の幅が求められる時代です。そんな“変化の時代”に、求職者一人ひとりに合わせた丁寧な対応で成果を出しているエージェントがあります。「ROLE(役割)」を見つけることが、求職者の幸せな人生の扉を開く「KEY(鍵)」になる。人材紹介、転職支援業だけでなく、ウェルビーングキャリアカウンセリング、講座やワークショップなども積極的に展開する株式会社KEY ROLEの代表取締役、兼吉ともこさんにお話をお聞きしました。

 

兼吉ともこ(株式会社KEY ROLE)〜事業成功ストーリー

状況を完璧に把握できるところにとどめておきたい


――メインとなるエージェント、人材紹介、転職支援業について現状を教えてください。

兼吉 基本的には営業職と管理部門をメインに常時10社程度の企業案件を持って、人材紹介を行っています。とは言っても、企業のご紹介が多くて建設系、SAPのコンサルタントなど、営業や管理部門以外の専門性の高い案件を扱うことも多くなっています。
求職者さんでいうと10名から15名くらいをコンスタントにサポートさせていただいています。実は、企業も求職者さんもあえてこのくらいの数に絞っているというのはあるんです。

――案件、クライアントをとにかく増やそうというやり方はしていない?

兼吉 企業さんも求職者さんも品質担保するために、自分がその案件の状況を完璧に把握できるところにとどめておきたいということなんです。面談数を増やそうかなと思った時期もあるのですが、結局扱う案件が増えてくると一つひとつが自分の記憶に残らないし、質が上がっていく感じもしないんですね。いいことがない! と、10名から15名という今の形に落ち着きました。
内訳で言いますと、15名のうち、求職者からの紹介が8名、スカウトなどの集客媒体で4名、ホームページから1名、そして、リピーターが2名。リピーターを合わせると6~7割が紹介ということになります。

――リピーターというのは?

兼吉 何年かかけて、転職のカウンセリングをしている方もいらっしゃるんです。この前も、転職のご相談を頂いた時から数えると、3年かかって弊社のサポートで転職した例もありました。3年前はご自身で転職先を決められたんですが、その直後にやっぱりもう一度転職したいとご相談を受けたんですね。そのとき転職した直後だったのもあり、「まだそこで学べることがあるのでは」とアドバイスをしました。そのまま2年くらい現職で活躍され、また転職活動を再開されたタイミングで、サポートさせていただくことになったんです。そういう長期スパンでのお付き合いになる方も多いんですよね。

――その点が人材紹介だけでなくキャリアカウンセリングを行っている御社の強みですよね。

兼吉 面談でもキャリアについてのアドバイスはしますね。20代未経験の方だったら、人材紹介会社は使わずにエントリーした方がいいよとか。お客さんからも「兼吉さんは商売っ気がなさ過ぎる」と怒られることもあるのですが(笑)、そういうところから信頼が生まれると思っているんです。それを狙ってというわけではありませんが、信頼が生まれれば自然と紹介も増えていきますよね。クライアントのために成約を出すことももちろん重要ですが、求職者のキャリアを考えることは、最終的に企業の成長にも繋がると思っています。

前職の上司に言われたんですけど、人材紹介業は「今月、何人の人をハッピーにするかが大切」という言葉がいまも胸に残っていて、私は「ハッピーにする」という指標でやっています。

 

兼吉ともこ(株式会社KEY ROLE)〜事業成功ストーリー

>機械メーカーからのキャリアチェンジ


――前職の話も出てきたところで、兼吉さんのキャリアについて教えてください。

兼吉 大学卒業後、17年以上機械メーカーの営業部で働いていたんですよね。営業事務からスタートし、貿易担当となり、その会社でキャリアを積んでいる中で、「結婚して出産、子どもを」と考えたときにどういう道を選ぶのが良いか、とふと考えたんです。そのタイミングでキャリアカウンセラーに相談をしたことがあって、その方から「転職の準備をしつつ、子どもを産むんだったら長年働いた会社の方がいい」というアドバイスをもらったんですね。

そんな話をしてホッとしたのか、キャリアカウンセリングの2週間後くらいで妊娠が発覚したんです。その時に「キャリアカウンセラーの仕事ってすごいな」と興味を持って、産休、育休後にキャリアカウンセラーの取得したんです。当時はCDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)を取得、国家資格として創設されてから、キャリアコンサルタントに切り替えました。

――キャリアカウンセラーが人材系キャリアの入り口だったんですね。

兼吉 育休復帰からしばらくは機械メーカーで働きながら、アルバイト的にキャリアカウンセラーの仕事をしていました。キャリアカウンセラーは、年をとって経験を重ねた方がいろいろお伝えできることも増えますよね。当時から、将来はこの仕事をしていきたいなというのはありましたね。

最初は退職してすぐにフリーランスでやっていこうと思っていたのですが、やはり人材業界の経験や知識、人脈が欲しいと、人材業界への転職を試みたんです。これが厳しくて、まったく違う業界へのキャリア転向だったので、何をしたらいいのか全然わからなかったんですね。結局最初はどこも受からなくて、外資系の保険会社のコンサル営業をやって、「ちょっと厳しいところでやってます感」を出してから人材業界に行こうという計画を立てたんです(笑)。5カ月くらいそこで働いて人材業界にキャリアチェンジできたのですが、このときの経験が今にすごく活きていますね。自分の仕事スタイルのベースになりました。

――そこで形成されたのはどんなスタイルだったんですか?

兼吉 40歳でキャリアチェンジするとなるとエージェントから相手にされないんですよ。すごく表面的というか。いまなら私もエージェントが言っていることを理解できるんですけど、初めての転職だったので、「なんで?」「18年近くも正社員をやってきたのに」みたいな状況に陥ってしまったんですね。

なかなか信頼できるエージェントに巡りあえなかったという経験があるので、自分がエージェントになるときは、どういう形でも一旦受け止めることを心がけています。希望の職種では仕事がないとか、無理とかいうんじゃなくて、「こういう道もあるよ」と選択肢を広げられるような、キャリアカウンセリングをベースにした紹介事業をやりたいなと思って立ち上げたのが KEY ROLEなんです。

――ご自身の転職での苦い経験が現在の事業に反映されているわけですね。

兼吉 キャリアカウンセラーの資格を取ったときは、将来こういう仕事をやっていきたいという思いはありましたが、たとえばワーキングマザーの相談に乗れたらいいなとか、そういうことを想定していたんです。でも、初めて転職を経験したとき、もっとしっかりとしたアドバイスをしてくれる人がいればなぁと思って・・・・・・。キャリアを一緒に考えてくれる人が増えれば、“転職の迷子”になる人を減らせるのになぁと。

 

兼吉ともこ(株式会社KEY ROLE)〜事業成功ストーリー

「幸せ」を自分で選び取るためのキャリアカウンセリング


――すでにお話にも出てきましたが、御社ではキャリアカウンセリングを始めキャリアに関する講座も開設するなど、転職「支援」の部分にもかなり力を入れていますね。

兼吉 2014年の創業当初は人材紹介だけでした。そこから徐々に求職者のニーズに合わせて、キャリアカウンセリングや講座、ワークショップを増やしていきました。そうすることで、ひとりひとりを長くご支援することができますので。

 

「戦わない働き方」というキャリア講座は、仕事でうまくいかないことで、モヤモヤしたりイライラしたりしている人たちに、そのモヤモヤ、イライラの正体を突き詰めて、それと戦わない方法を一緒に考えてみましょうという講座です。私はファシリテーターなので、必要なことしか話しませんが、参加者同士がお互いの強みを見つけ合ったり、ソフトスキル(非認知能力)を指摘し合ったりすることで、他人から自分はどう見えているのかを知ってもらうんですね。そういうふうにやっていくと、イライラ、モヤモヤって自分自身が制限していた、単なる思い込みだったということが多いんです。
そこに気づくことで、今いる場所でも全然やっていけると前向きになって、「次の日から仕事に対してモチベーションがあがりました」、という感想をいただくこともあります。

もう一つ、ウェルビーイングの講座では、「肉体的(身体)」「精神的(心)」「社会的(関わり合い)」という3つの観点から「良好な状態」(Well-Being)を目指すコツをお伝えしています。

仕事はうまくいっているけど、身体を壊したり、プライベートが充実していなかったり、求職者さんのお話を伺って、バランスが悪いのかも、と思うことが良くあるんですね。だから、幸せな人生を自ら創り出せる人を増やしたい、という想いでお伝えしています。

心理学など、具体的なデータやエビデンスに基づいてお話しするので、「幸せ」というふわっとしたものが可視化できるようになるんですね。そうすると、これまで何となくやってきた仕事が、自分の幸せにどう関係しているのかという視点で見られるようになるんです。講座は、多くの人に気づきを与える“本来の自分に立ち戻る場所”のような位置づけでやっています。

――転職をしないという選択もありというわけですね。

兼吉 最初の面談でいろいろお話して、転職が最善の決断じゃないということになった方にも講座を受けて良い方向に向かった、解決できたという人も結構いるんです。

――それこそ商売っ気はないですよね(笑)

兼吉 2017年からは、キャリアカウンセリングという事業を別途で立ち上げたのですが、人材紹介、転職支援でやっていると、なかには依存傾向にある方もいらっしゃるんです。人生相談みたいな感じで際限なくご連絡があったりして。でもそれは、“支援”の枠を越えてしまっているので、キャリアカウンセリングを別途有料サービスとしてやらせていただくことにしました。

――断るんじゃなくて需要があるということでサービスを作られるという。

兼吉 だから現在は人材紹介、転職支援と講座、キャリアカウンセリングと自分がやってきたことがうまく連動して動き出した感じなんですね。求職者一人ひとりにきちんと向き合いたい自分の性質から言っても、いまの状態はとてもバランスが良くて、転職後に講座を受けてくれることでフォローアップもできるようになったんです。

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人材紹介業はAIに置き換えられない「クリエイティブな」仕事


――兼吉さんはクラウドエージェントの長期利用者でもあるんですよね。

兼吉 前職から使わせていただいていたので、2011年ぐらいからですね。クラウドエージェントは自社の一部だと思ってますよ(笑)。エージェントのお仕事は、求職者さんの選択肢を広げることが第一だと思っているんです。そのためにはこちらが選択肢をたくさん用意しておく必要があります。先程話したように、自社で取引する企業の数は制限しているので、その点をクラウドエージェントの求人で補っています。クラウドエージェントさんを活用させてもらって、求職者さんに視野を広げていただく。私の方では、丁寧にお話を聞くことでその方の強みや興味を広げる。最終的に選択するのは本人なんですよね。私たちは選択肢を広げることと、決断の後押しをしているだけなんです。

――2014年に独立開業された当初、苦労されたことはありましたか?

兼吉 実は前職からの業務委託という形で独立をしたので、通常に比べて不安材料は少ない方だったと思うんです。前職の人材会社では、紹介業、採用関連業務を担当していたのですが、それをベースに自分の思うエージェント業を始めることができたのは幸運でした。

――人材紹介、転職支援で大切にしていることは?

兼吉 私、人材紹介業ってものすごくクリエイティブな仕事だと思っているんです。求職者さんのお話を伺ってその人の強みを探したり、将来どうなりたいのかをデザインしたり、引き出したエピソードを可視化してレジュメを作り込んだり、面接対策を一緒にしたり。当たり前ですけど、求職者さんは誰一人同じ人はいなくて、同じやり方は通用しないんです。AI 化が進むと、自動マッチングが発達し、人材紹介業も危なくなると取り沙汰されていますけど、全然そういう仕事じゃないんです。本当にきちんとやろうと思うと、めちゃくちゃクリエイティブな仕事だと、最近また痛感しています。

――人材紹介事業を成功させたい人に、アドバイスをするとしたらどんな声をかけますか?

兼吉 私もそうなんですけど、その人に合うスタイルでやるのが一番だと思うんです。あとは、求職者の方、求人する側の企業をサポートする覚悟を決めてやっていけばいいと思います。今日は私のスタイルについてお話をしていますけど、私と同じやり方でやろうと思っても、そうなる人、そうできる人って意外に少ないと思うんですね。良いとか悪いとかじゃなくて、その人に合ったやり方というのがあると思うんです。
そういう意味では、人材業界にいた人よりも他業種からの参入、チャレンジする方の方が自分の道を作れるので良いかもしれません。私も違う業界での経験があったからこそ、「こうしたい」「こういうエージェントがいたら良いな」という方向性に向かっていけました。時代が大きく変化しているからこそ、異業種から見た人材紹介、転職支援は時代にマッチしている可能性はありますよね。


――サポートできる求職者の人数に限りがあるのはわかりますけど、インタビューを通して、兼吉さんのサポートでハッピーになる人をもっと増やしたいと思いました。

 

兼吉 今後もし、私と近しいマインドの人がいれば一緒にやっていけないかなというのはちょっと考えています。働き方とかは全然関係なくて、たとえばワーキングマザーの方だったり、障がい者の方だったり、そこにはまったくこだわりはなくて、とにかく思いが同じ方向の人。とはいえ、数字を出さなければ生きていけないので、そのバランスも含めてちょうどいい、自分の想いに共感してくれる人と一緒にハッピーになる人を増やしていけたらなと思っています。

 

求人側の企業さんにしても、求職者さんにしても、必ずしも数に比例しないのが人材業の面白いところ。まもなく7年目になりますが、アライアンス先やご紹介などのご縁がめぐる円環の形が出来てきました。個人的にはこの円環の形はこれからの時代に合っているように考えています。
いろいろなやり方があると思いますが、売上や成果管理のKPIではなく、顧客一人ひとりと向き合って、その人のキャリアに伴走していけたらと思っています。

 

 

 ライター:澤山大輔

 

 

人材紹介会社向けのサービスを提供して17年、5,000名超の立ち上げを支援してきたCrowd Agentが、失敗しないための事業戦略をお伝えします。

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