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中途採用は年間を通して求人票があるので、求職者の多くが「転職活動はいつはじめても同じだろう」と考えているかもしれません。しかし、それは誤りです。
実際には、求人数が多い月もあれば少ない月もあります。また、社会情勢によっても求人数は変化します。求人票が多ければ選択肢が広がるので、転職を成功させるためにもよりよい就職時期を見定めるのは大切です。
人材紹介会社は、求職者と密なコミュニケーションを図りつつ、その人に合った転職時期をアドバイスしましょう。そのためには中途採用の「繁忙期」と「閑散期」を知っておく必要があります。
- 人材紹介業者が適切な転職時期を知ることのメリット
- 転職に適した時期とは?
- 転職を検討する際に確認すべき項目
- 人材紹介業者が企業を紹介するときのポイント
- 人材紹介事業では求職者の転職時期を理解することが大切
人材紹介業者が適切な転職時期を知ることのメリット
人材紹介会社は、求職者のよきパートナーでありアドバイザーでなければいけません。ここでは、最適な転職時期を知るとどのようなメリットがあるのか解説します。
求職者に豊富な案件から転職先を紹介できる
求人の案件数は、年間を通して同じではありません。求人数が多い時期もあれば、少ない時期もあります。基本的には、求人案件が多い時期の転職を推奨するとよいでしょう。求人が豊富で選択肢が増えれば、より求職者に適した職を探すことができるからです。
しかし、求人案件が増える時期には求職者も増加します。人気業界や人気職種には多くの求職者が殺到し、ライバルが増える可能性もあります。そのため、「経験が少ないけれど人気業界・職種を狙いたい」という人は、ライバルが少ない採用の閑散期を狙うのもひとつの方法かもしれません。これをまとめると、次のようになります。
- 技術や知識に自信がある → 繁忙期なら求人数が多く選択肢が広がる
- 未経験もしくは経験が浅い → 閑散期ならライバルが少ない
成功率の高い人材紹介会社は、求職者とコミュニケーションを図る中で、繁忙期と閑散期のどちらに転職活動をしたほうが有利に働くか、見極めることが得意です。
内定率を上げ収入をアップできる
基本的に、人材紹介会社は成功報酬型で、求職者ではなく採用する企業から報酬を得ます。そのため、案件を紹介するだけでは収入を得られず、求職者を入社まで導く必要があります。
人材紹介会社がより多くの報酬を得ようと考えたとき、力を入れることは次の通りです。
- 求職者の開拓
- 求人の開拓
- 企業と求職者のベストマッチを図る
- 内定率のアップ
- 早期離職率を下げる
求職者や求人の開拓は、クラウドエージェントのような人材紹介サービスの求人データベースを活用するとスムーズです。さらに中途採用の繁忙期であれば、より多くの求人数を得ることができるでしょう。
求人数が豊富なら、企業と求職者がマッチングしやすくなり内定率もアップします。そのため、求人数が増える時期を狙うことは、人材紹介会社の報酬アップに直結します。
転職に適した時期とは?
転職の繁忙期は何月ごろなのか解説します。また、業界によっては適した時期がずれることもあるので、その点についても見ていきましょう。
求人が増える3月~4月と9月~10月が一般的
年度の切り替わり時期には、人事異動や新規事業の立ち上げが起こります。そこで退職者が多く発生し、中途採用の需要が高まります。
一般的に、求人数が増えるのは年度の切り替わりに合わせた3~4月と、ボーナス支給後の9~10月です。
豊富な求人の中から紹介する案件を提示したいなら、この時期の転職をおすすめしましょう。この時期の企業は即戦力を求めているので、スキルや技術に自信がある人の転職に向いています。
逆に、4~7月は求人数が減少します。紹介できる案件数は減りますが、求職者の数も減るためライバルが少なくなる時期です。経験豊富な求職者とあまり競わなくて済むので、経験の少ない若手には有利に働くかもしれません。
また、求人数は月の変動だけではなく、社会情勢の影響を受けることにも注意しましょう。たとえば、新型コロナウイルス感染症により、多くの企業がダメージを受けました。求人数の減少傾向は続き、令和2年には中途採用の繁忙期である9~10月になっても、求人数は大きく増加傾向に転じませんでした。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けていなかったころと比較すると、一年を通して有効求人数が少ない傾向が見られます。企業が業績の悪化などにより求人を控えているのかもしれません。
このように、社会情勢の影響を受けて、時期に関係なく求人数が変わることもあります。案件を紹介する際には気をつけましょう。
(参考資料 : 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年2月分)について」)
(参考資料 : 厚生労働省「新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響」)
業種によっては適した時期が異なるため注意が必要
一般的な転職繁忙期は、3~4月と9~10月ですが、業種によっては時期がずれるので注意しましょう。求人の募集タイミングがずれやすい業界は、クリエイティブ業界や旅行業界、教育系(私立)などです。
クリエイティブ業界は、近年急速に成長した業界です。そのため、終身雇用制度の観念も気迫で人材は流動的です。
年度の切り替わりがある会社なら、一般的な会社と転職の繁忙期は変わりませんが、Web・ゲームクリエイターのようにプロジェクトごとに動いている職種の場合、次のプロジェクトに合わせて求人が出ることが多いです。
多くの場合、プロジェクトの期間は年間プロジェクト、6カ月プロジェクト、3カ月プロジェクトと分かれているので、そのタイミングを狙うとよいでしょう。
旅行業界は、長期休暇に合わせて人員を増やします。そのため5月や7~8月など長期休暇が始まる少し前の期間が、欠員を補充するためにおこなう中途採用の繁忙期です。
私立の教育系では、春先から夏にかけて求人数が増えます。これは7~8月のオープンキャンパスの時期に合わせて人員を整えておきたいからです。
また、新型コロナウイルスの影響を受けている業界もあり、代表的なのが外食産業です。この時期、多くの外食店舗が廃業に追い込まれたり、人員削減を余儀なくされたりしました。そのため繁閑期と関係なく、新型コロナウイルスの影響下では採用活動に消極的です。
一方、IT業界は慢性的な人手不足です。年間を通して、技術やスキルのある優秀な人材を募集しています。
このように、業界ごとに特徴があるため、人材紹介会社は業界に合わせた転職時期を知ることで、より求職者に寄り添ったアドバイスができるようになるでしょう。
転職を検討する際に確認すべき項目
転職時期も重要ですが、案件を紹介する前に求職者に対してチェックしておきたいポイントがあります。ここでは3つの項目について解説します。
年齢
雇用対策法が改定されて、平成19年の10月から書類選考や面接で年齢を理由に断ることができなくなりました。しかし実際には、不採用の口実にしないものの、年齢による壁は存在します。
これは、若手のほうが新しい手法や技術を吸収しやすく、柔軟に対応できるという傾向があるからです。そのため、未経験で新しい業界や業種にチャレンジしようと考えているなら、早めの行動を心がけなければなりません。
ハードルが高くなる年齢は業種によって異なります。一般的には、24歳、29歳、34歳などの区切りの年齢には注意が必要です。
また、中高年での転職を考える場合も、悲観する必要はありません。それまでに培った技術を必要とする企業があるからです。即戦力を必要としている企業の場合、実力があり、経験を積んだ人物を欲しがっています。
勤続年数
正社員での勤続年数が長い場合は問題ありませんが、もしも短いスパンで転職を複数回繰り返しているようなら、不利になる可能性があります。
不利になるケースは、一つの会社において2~3年以上の在職期間がないケースです。正社員としてできれば3年以上勤務するのが望ましいといわれています。場合によってはある程度の勤務実績を積むまで、退職を待つほうが転職には有利かもしれません。
勤続期間が短いけれど転職を考えているという場合は、転職の根拠を明確に話せるようにしておきましょう。転職理由をポジティブな言い回しで伝えられるように準備をしておくことが大切です。
「会社の業績が悪く、給与の支給が遅れていた」「人員整理があった」など、本人に理由のない、やむを得ない事情ならばそのまま伝えればよいでしょう。
しかし、「社内の人間関係が悪かったから」などの理由なら「次はしっかりと報連相を図ると共に、コミュニケーションをとって協力し合いながら仕事を進めていきたい」のように、ポジティブな言い回しを付け加えると好印象を与えられます。
スキル・実績
「○○のスキルを持っている人を、即戦力として採用したい」というのが明確な求人の場合、そのスキルを持っていなければ採用されるのは難しいです。
しかし、第二新卒を募集していたり、自社で人を育てたいと考えている企業は多いため、目立ったスキルや実績がなくても、働き方や仕事に対する取り組み方で自分をアピールすることはできます。その際には「どのように」「なぜ」に重点を置いて、職務経歴書を作成したり面談で話したりするとよいでしょう。
たとえば、ルーティンワークしか任されてこなかった場合も、より時間を短縮する工夫や、効率化できるようにフォーマットを作成した場合は評価に値します。
これまで自分がなにを考えて仕事に取り組んできたのか、その結果どうなったのかを見つめ直すとよいでしょう。
人材紹介業者が企業を紹介するときのポイント
人材紹介会社が求職者に企業を紹介するとき、案件を紹介する前にしておくとよいポイントを紹介します。また、求人データベースの活用についても解説します。
求職者にとっての最適な転職時期を提案する
人材紹介会社を訪れる求職者が、なにを求めて転職を考えているのかを知ることは、会社と求職者のベストマッチを図る上で重要です。求職者と密にコミュニケーションを図りつつ、求職者には「転職軸」を設定してもらいましょう。
転職軸とは、転職する際の会社選びの基準です。「給料のアップ」「残業を減らしたい」といった希望だけではなく、前職で学んできた技術やスキル、それを次の企業ではどう活かしていくのかなど、具体的に面接で質問されそうな内容について設定していきます。
人材紹介会社は、転職軸により見えてくる求職者像から、より具体的なアドバイスをしていくことができます。転職時期に関しても「経験豊富でスキルもあるので、求人が多い時期の方が選択肢が広がりますよ」など、積極的に提案していきましょう。
求人データベースを活用する
求職者と密なコミュニケーションを図りたいと思っていても、業務が多いと時間を取られて、求職者とのコミュニケーションが十分にとれなくなることがあります。そんなときは、人材紹介会社向けの人材紹介サービスを活用するのがおすすめです。
たとえば、クラウドエージェントを使えば、求人開拓に時間を費やすことなく8,000件以上の求人を使うことができます。また、候補者管理機能や進捗管理機能などを活用することで、業務の手間と時間を減らすことができ、求職者との時間も取りやすくなるでしょう。
求人データベースの豊富な求人を活用すれば、求職者の転職時期に合わせて、条件が合致する求人を見つけ出すことも可能です。興味があれば資料請求をしてみましょう。
人材紹介事業では求職者の転職時期を理解することが大切
転職時期に紹介できる求人案件が多いか少ないかは、求職者にとっても人材紹介会社にとっても重要です。そのため、中途採用の繁忙期と閑散期がいつなのか知っておかなければなりません。
また、単純に「○月は求人票が多いからおすすめです」ともいえません。業界によって繁忙期が異なり、未経験者や若手にとっては、ライバルが少なくなる閑散期のほうが採用されやすいことがあるからです。
人材紹介会社は、求職者と密にコミュニケーションを図る時間を確保して、一人ひとりに合った転職時期を探る必要があります。転職を成功させるためにも、人材紹介サービスの求人データベースを活用して、業務を効率化することから始めてみてはいかがでしょうか。