「最初の面談では、求人を紹介しません」鈴木利弘(H&innovation株式会社・取締役COO)〜事業成功ストーリー前編

「最初の面談では、求人を紹介しません」鈴木利弘(H&innovation株式会社・取締役COO)〜事業成功ストーリー前編

「世界中に、小さなイノベーションを。」をテーマに法人向け研修、人材育成コンサルティング、人材紹介事業を展開するH&innovation株式会社。

その中でも、同社の人材紹介事業は他社のわずか1/3のクライアント数で書類通過率50パーセント(業界平均約30パーセント)、複数社の内定獲得を実現するなど圧倒的な成果を誇ります。

同社の人材紹介事業、成功の秘訣はどこにあるのか? 取締役COO・鈴木利弘さんにお話を伺いました。

弊社の強みは、求職者対応にあります。

――まずは、御社のご紹介をいただければ幸いです。

鈴木 弊社H&innovationは代表取締役CEO森英治が2012年に設立した、主に法人向け研修と人材紹介の二本立てでやっている会社です。

立ち上げ時は森を中心とした法人研修をメインに行い、4年半前に私がジョインしたタイミングで人材紹介事業をスタートさせました。領域は特に絞らず、クラウドエージェントさんに載っている領域はすべて扱っている形になります。

――どんなジャンルでも大丈夫、ということですか。

鈴木 というより、ジャンル自体をあまり気にしていないですね。人材紹介会社はいわゆる「特化型」と、大手人材紹介会社のように豊富な求人数を持つ「デパート型」がありますが、弊社は求人に強みを持っていません。

弊社の強みは「求職者対応」です。求人開拓では特色を出すのは難しく、中途半端では勝てないと思って現在の方向性に固まりました。

――求職者対応に振り切ったきっかけは、どういうものでしたか?

鈴木 人材紹介事業を始めた最初の2年間、全くうまくいかなかったことですね。リクルートでは販促系の営業だったので、人材ビジネスの経験がなくて。一応、本を買って読んだり、ネットで調べたりして、セオリーを真似たうえで始めました。

でも、しょせんは素人。人材畑で歩んできた人たちと同じ土俵で戦ったら、まず勝てません。当時はクラウドエージェントのような求人データベースを活用していなかったこともあり、求人数も多くなく、少ない求人で当て込むから全く成約しない。

そしてようやく内定が決まっても、内定辞退が起こる。結果、マネタイズできない。ビジネスとして、全くうまくいかない時期でした。

 

「最初の面談では、求人を紹介しません」鈴木利弘(H&innovation株式会社・取締役COO)〜事業成功ストーリー前編

求職者をグリップしなければ、成立しないことに気づいたんです

――それが今や、1人の求職者で複数内定を獲得することが当たり前だと伺っています。急速に成果を挙げられるようになった印象がありますが、どういう点で見直しを行なったんですか? 

鈴木 実は2年前、撤退を検討していたんですね。ただ、同じタイミングで少しずつ面談をした人から紹介が入るようになったんです。

――元求職者が、お友達を紹介してくださったと。

鈴木 そうです。なんで紹介してくれるのか聞いたら「相談に乗ってくれて、気づかなかったことを教えてくれたから」と。私自身も転職時に職務経歴書を作り込んだので、書類の修正は当時から細かくやっていました。それで、サービスを求職者側に寄せてみようと思ったんです。

――他のエージェントさんって、細かくアドバイスしないものなんですね。

鈴木 そうですね。理由は2つあって、1つは工数の問題。セオリーとして数を打って、その中から内定を獲得していく。(求職者に)手をかけても、最終的に逃げられてしまうと赤字になるという事情もあります。

広く浅く、打率が低くても一本入ればいい。そういう考え方がセオリーなので、会社の方針として(手厚い求職者対応を)やらないケースは多いです。

もう1つは、(能力的に)そもそもできないということ。相手の話を聞き出すとか、書類を作り込むとか、聞き手のレベルが高くないとできないですから。仮に競合他社の方針が変わっても、全員が同じレベルで仕事をできないと思います。

――なるほど、それで求職者の方に完全にフォーカスしたわけですね。

鈴木 これは市況も影響していて、正直な話、求職者を捕まえておけば成約はするんですよ。企業側から、いくらしっかりとヒアリングをしても、人をグリップしておかなければ成立しない。そこは大きかったと思います。

――それでも、以前はグリップを効かせられなかったわけですよね。どの辺りを気をつけたんですか? 

鈴木 基本的に、私が他のエージェントにはできないことをやり、求職者にも理解してもらうということですね。

――例えば、どんなことを言うんですか? 

鈴木 言うよりは「する」ですね。言葉でいって理解されても、時間が経つとその気持ちはすぐ溶けちゃうから。一貫して質の高いサービスを提供し、「他にはないサービスだ」と感じていただく。価値を感じていれば離れないですから。

――シンプルですね。

鈴木 常に、競合他社より高いクオリティを提供し、価値を感じていただく。そこは、ずっと意識してきました。 

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求職者の可能性を広げるのが、ファーストフェーズです。

――鈴木さんのエージェント経験は、長くありません。にも関わらず、求職者に大きなメリットを提供するサービスを展開できる。その源泉は、どこにあるんですか? 

鈴木 リクルート時代でしょう。以前、クラウドエージェントのマネージャーさんとお話した際にも「鈴木さん、リクルート出身ですね?」と見抜かれました。当時はHRの部署ではなかったので、この仕事を始めて人材の知識は増えましたが、大事にしている部分はリクルート時代の課題解決型提案と変わらないですね。

――ヒアリングし、その人の課題を見つけ、施策を当てていく。

鈴木 そうです。フェーズが3つあります。最初のフェーズが求職者へのヒアリングですね。その方のやりたいことや志向を聞き出す。このフェーズで、まず差をつけていると思います。

多くのエージェントは、言われたことを表面的に受け取ることが多いと思います。「営業をやりたいです」「わかりました」みたいに。

私は、「なんで?」と深掘ります。「別に営業じゃなくても良いんじゃない?」とか。将来像を聞いた上で、こちらの仕事のほうが可能性あるとか、営業であってもこの方向は止めておいたほうがいいとか。ちゃんとセグメンテーションし、明確に方針を示すことが大事ですね。

私の場合、最初の面談では求人を紹介しません。他のエージェントは、求人紹介して「これはどうですか?」と言って、ある意味求人をフックに引っ掛けようとするんですね。

――私自身、その経験があります。そういうエージェントさんは確かに多い印象です。

鈴木 言うなれば、求人を元に会話をする。結果、求職者は目の前のキャリアアドバイザーでなく、「求人が魅力的かどうか」でエージェントを使う判断をしがちになるんです。

私は、求人ありきで話をしたくないので、最初は求人を出しません。「方向性は示します。やりたいことはこういうこと、やってきたのはこういうこと。だから、次はこういう仕事じゃないですか?」と。

方針を示して、「やりたかったら、またお話しましょう」で一回切っちゃうんです。求職者の方の可能性を広げるのが、ファーストフェーズです。セカンドフェーズで、求人の紹介に移ります。

 

後編へ続く

ライター:澤山大輔

 


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