「求職者を『お客さん』扱いしたら、ダメですね」三井澄夫(株式会社モルフォ)〜キャリプロ 人材紹介独立インタビュー

三井澄夫(株式会社モルフォ)〜キャリプロ 人材紹介独立インタビュー

独立したばかりのエージェントは、どんなことを考えているのか? がテーマとなる本連載「キャリプロ 人材紹介独立インタビュー」。第3回は、株式会社モルフォ代表取締役の三井澄夫さん。「キャリプロ」の人材紹介プログラム研修を受けて開業。数度の起業を経験した後に、「人材紹介での独立」をなぜ選択したのか、貴重なお話を伺いました。 

最初の求職者さんは、いろいろありました

――まずは、これまでのご経歴を伺います。いろいろなご経験をされていらっしゃいますよね。

三井 そうですね。大学を卒業して総合商社に11年くらいいて、そこから独立をして。

最初に立ち上げたのは、製造販売の会社でした。扱っていた商材は、健康機器や浄水器など。二社目は経営コンサルの会社で、情報セキュリティのPマーク(第3者認証)を企業に取得していただく業務を中心に、バックオフィス業務のコンサルをしたり。企業の採用のお手伝いもしていたので、人事はそれなりに詳しかったんです。

それで、2年前から新しいことをやりたいと思いまして。2025年には65歳になりますし、その年で引退するために何をやったら良いかな、と思って。「最後に会社を作って事業を立ち上げるか」と思った時に、人材紹介業もやれるかな、となったんです。

そのときに、groovesさんの事業支援「キャリプロ」を知りました。説明会に行って、2日後にはもうやることを決めていました。キャリプロから見積もりが来て、正直「高いな」とは思ったけど(笑)、それから今に至ります。

――人材紹介を始めてから、ここまでいろいろなことがあったと思うのですが、特に大変だったのはどんなことでしたか?

三井 最初に決まった求職者の方は、いろいろありましたね。30歳で、元モデル。「美容系の会社を受けたい、それ以外は受けたくない」というんです。

それで面談はしたんだけど以降は電話をかけても出ないし、全てメールで済ませる感じ。なんとか美容系の学校の求人に応募することになり、選考はトントン拍子でいったんですが・・・。2次面接の当日「他に内定が出たんで、辞退します」って言われて。

「他は受けないって言ってたじゃない、ちょっと待ってよ」となって。何とかしなきゃと思い、ダメもとで企業に「彼女はどうですか?」って聞いたら、「良い人ですよね、ウチにほしかった人材です」って話になりまして。

そこから彼女にもう一度企業の意向を伝えてみたら、「もし内定が出ても、選考結果や入社まで時間がかかるなら難しい」と。それなら、人事さんにも全面的に協力してもらい、今日面接をやって、来週に役員面接やって、来月15日の入社で調整できるように持っていったんです。

――すごい展開ですね!

三井 無事に、選考辞退は免れて受けてもらったんですね。19時に面接が終わって、19時15分には合格の連絡をもらえて。今度こそ行くのかな、と思ったら求職者に「やっぱり2、3日考えます」と言われて。

――急いでほしい、って言うから急いだのに!(笑)

三井 結局、2日後にメールで「決めました」と連絡が来ました。万歳しましたよ、一発目だったんで。久々に、このオッサンが涙しました。 

三井澄夫(株式会社モルフォ)〜キャリプロ 人材紹介独立インタビュー

トントン拍子に進んだのですが……。

三井 それからは、結構トントン拍子に行ったんです。2~3件決まったのかな。ただ、そこで僕の悪いクセが出て。

調子に乗ったというか手を抜いたというか、「これで行けるわ」と思っちゃって、それからはまた苦労しています。

「今までと同じようにやっていれば、これだけ数字が出るんだ」と思って油断しちゃったんですね。その後、最終面接まで行って落ちる経験が何回かあり、内定を貰って辞退されることもあり。今は、それで苦労しているところです。

――内定辞退されたのって、何が理由だと思われてますか? 

三井 「聞くべきことは、遠慮しないで聞く」ができていなかったかなと。その人のためを思っていっているのだから、遠慮しなくていい。

腫れ物に触るように、「断られると嫌だな」と思って手綱を緩めるとダメですね。コミュニケーション、情報量の不足で、信頼を与えられていなかったのかな。あとは、スピード感も不足しているのかもしれません。

――お話を伺うと、うまく行っていない状態からちょっと上がってきている感じですか? 

三井 そうですね、現在は改善しつつありますね。面談数や訪問数は上がってきています。ようやく、面接待ちだったり最終面接に行く回数は増えてくるようになりました。 

三井澄夫(株式会社モルフォ)〜キャリプロ 人材紹介独立インタビュー

借金にまみれたり、胃を切除したり

――三井さんはこれまでいろいろな経験をされていますが、お話できる範囲で「こういう失敗をしてしまった」という経験を伺えればと思います。

三井 山ほどありますよ。まず、40歳の頃ですね。一番大変な時期でした。さっき「ちょっと手を抜いた」という話をしましたけど、僕の悪い癖なんです。独立した時に2、3年目くらいまで簡単にうまくいって。

そこから、借金が膨らんできて。で、売り上げは徐々に下がっていく。結局、45歳くらいの時に借金を全部返せたんですけど。そうしたら、今度は検診でがんが見つかって。胃がんで、胃を4分の3ほど取ったんです。 

――4分の3も。

三井 胃がんって全摘出か、4分の3取るかしかないんですって。もっとも、その後検査したんですが、抗がん剤の投与はなかったんです。「え、ひょっとして良性腫瘍だったんじゃないかな?」って思ったりもしましたけど(笑)。そこから、1年くらいは体調が全然ダメでしたね。手術の影響で。

――壮絶な経験ですね。

三井 借金まみれになった時に一番苦しかったのは、うまくいかない時、守るべき者に八つ当たりしてしまうことですね。今なら「若かったな」と思いますけど、もう一回やれと言われたら難しい。霞は食えないですから。

あの頃はポケットの中に1000円しか無くても、お客さんとご飯に行って「すみません、今日お金を忘れたんで」って言って借りてたんです。その日、初めて会った人にもそんなことをしたり。

――今の三井さんの穏やかさからは、想像できないですね。

三井 多分、とんでもない顔をしていたと思います(笑)。

――それを乗り越えて、今の表情になられたんですね。

 

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量をこなさないと、質にはつながらない 

――3社目で人材紹介をやろうと思った理由は、どこにありますか? 紹介以外の事業も検討したと思うんですが。

三井 検討してましたよ。いろいろな説明会に、かなり行きました。ただ、ほとんどが営業の仕事だったんですね、「これを販売したら、コミッションをこれだけあげます」みたいな。

で、「できなくはないだろうけど、長続きしないな」と思ったんです。どうせやるなら、おもしろいビジネスがいい。物売りは嫌いじゃなかったけど、あまり興味が湧かなくて。なので人材紹介を選びました。

――ただ、三井さんは人材紹介に向いていますよね。優しさと厳しさを兼ね備えていると思うので、めちゃくちゃ人材紹介と相性が良さそうに思えます。三井さんの今までの経験が濃いからこそ、優しさの中にも、厳しい時に厳しい事をちゃんと言える人だと思うんです。

三井 まぁ、最近面談でもありますよ。「転職に本気な人としかやれないよ、ごめんね」と。それで、求職者が逃げていくパターンも何件かありましたが、こちらが弱腰になっちゃうとダメですよね。だって自分の就職じゃないですか。そういうところは、僕は昔の人間かもしれませんね。 

――紹介は、楽しくやれていますか? 

三井 そうですね。営業の仕事って言うか、数字を作る仕事には変わりないわけですよね。運不運もあるし、うまくいけば数字は上がってくるんだろうけど、最低の事はやっていないと始まらないな、というのは最近思うようになりましたね。

面談の数とかスカウトの数とか、そういうのは確実にやっていないと元のネタはできない。それは感じています。やっぱり、基本はどこの世界にもあるんですよね。

――量をこなさないことには、質に繋がっていかないんですよね。 

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ライバルが増えるからやめて、とは言えない(笑)

――ありがとうございます。今後の抱負と言いますか、こういうエージェントになっていきたい、という理想像があれば教えてください。

三井 本音は稼げるエージェントになりたいです(笑)。そのためには、人間性(を高めること)ですね。そこしかないんだよね、社会人としては長くても人材紹介の経験はまだまだこれからだから。そこでアピールして、あとは経験を積んでいけば。自分は素人。今のところ、ない経験を補ってくれる存在がクラウドエージェントさんなのかな、と思います。

――求職者に対して、どんなエージェントでありたいと思っていますか? 

三井 なかなか難しいですね。やっぱり、大手と同じ事をやっていてもしょうがない。数字を出さないといけない部分はもちろんありますが、書類を右から左に企業に提出するだけのエージェント、って言うのはあんまりなりたくないなと思っているんですね。

介在している価値がある仕事をしたいと思っています。ただ、綺麗事を言っても数字が付いていかないと……というのはあって。そこはジレンマになっています。

今後、人員は増やしていきたいと思っています。2020年くらいには、5人程度の体制にできたら。2025年には引退するわけですから。モルフォの社長になってくれる人も採用しないといけないですね。

――ありがとうございます。今から独立しようと思っている方々に向けて、メッセージをお願いできますでしょうか。

三井 チャレンジする価値はある業界ですよ、ということは言いたいですね。

独立する人って、ある程度は野望を持っているわけですよね。野望を持っている人は、自分が成功している姿をイメージしていると思います。

ひょっとしたら、とんでもない金額を稼ぐのは厳しいかもしれない。ですけど、計画の仕方をうまくやれば、きっと夢を達成できるんじゃないかなと。

ただ、こんなにライバルが多いとは思いませんでした。毎月免許が交付されてるんですけど、僕が交付された月は200人くらいいたんですね。毎月それくらい増えているんです。

――今は売り手市場なので、業界に参入する人が多いのは事実です。

三井 そうですね。簡単な業界ではないです。けど、良いんじゃないですかね。業界に興味のある人だったらぜひとも。ライバルが増えるからやめてください、とは言えない(笑)。

――とはいえ、成功されているエージェントさんは未経験からのスタートも多いですよ。特に、三井さんほどいろいろな経験をされている方って少ないので、たぶんその経験をもとにお話できることはたくさんあると思います。

三井 そうですね、バンバン話した方が良いですよね。今でも、「何回失敗しても、人はやり直せる」って話は何度か求職者に話してます。キャリアに悩んでいる方に、「会社辞めてチャレンジした方が良いですかね?」って聞かれたときに「俺だったら辞める」って伝えたり。

――(笑)

三井 「俺だったら辞めるよ。勝負かけるよ」と。なんで退職したんですかと聞かれて詰まるようだったら「御社のような会社に入りたくて、辞めて真剣勝負しています」って答えたら良いじゃんって言ったことはあります。

 

――今日は、いろいろなお話をありがとうございました。

 

 ライター:澤山大輔

 


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